株式会社カインズSBU戦略
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プロのためのプロ”が切り拓く、カインズの未来

10年以上、横ばい状態が続くホームセンター業界で右肩上がりの成長を続け、総売上1兆円超のベイシアグループの中核を担うカインズ。その背景には、SBU(ストラテジック・ビジネス・ユニット)と呼ばれる独自の事業戦略がある。社内をSBUという事業部ごとに分社化し、各SBUが独自の施策を実行していくという

プロSBU長深井 彰

ホームセンターだからこそ求められる“プロのためのプロ”

プロSBU長 深井 彰

プロSBU長 深井 彰

ホームセンターには一般のお客様だけでなく、農家・ハウスメーカー・大工などの“プロ”の方々も、仕事に使う道具や資材を購入するために来店されます。

そんなプロの皆さんにも満足していただける商品・サービスを整えるための部署として、カインズには「プロSBU」があります。プロSBUは、「圧倒的な品揃えの確立」や「商品開発力の強化」などを標榜し、プロユーザーの“かゆいところに手が届く”存在を目指しています。

以前のカインズは、よくも悪くも“日曜大工”という意味でのDIYのイメージが強く、ほかのホームセンターと比べてプロの皆さんからの支持をあまり得られていませんでした。

そこで3年ほど前に、一般の方と同じようにプロの方にも満足していただけるよう、専門部署としてのプロSBUを設置。農家さん向けのプロファーム部、建築・大工さんの道具をターゲットにしたプロツール部、木材・建材・鉄筋などの材料を扱うプロ資材部など、“プロのためのプロ”になれるよう組織を整備しました。さらに今後は、事務職なども含めた広義のプロの方をターゲットにしていく予定です。

とはいえ現在、カインズには200を超える店舗があり、あらゆるジャンルのプロの方にとって完璧な品ぞろえを全店舗で実現するのは、そう簡単なことではありません。ですから、店舗ごとで品ぞろえを拡充しつつ、取引先メーカー様の倉庫にある在庫から直送していただくなど、店舗面積の限界をさまざまな方法でカバーしていこうと考えています。

そして“プロのためのプロ”になるためには、品ぞろえだけでなく、接客をはじめとしたサービス面でのレベルアップも重要です。

プロ向けの商材は、一般向けの商材以上に専門知識が必要なので、「あの店だと聞けばすぐわかるのに、この店では何もわからない」というお叱りを受けたこともありました。ですが、すべての店舗メンバーに同じ商品知識を持たせられるかというと、それも現実的ではありません。

そこで、我々が考えた解決策のひとつが、デジタルツールの導入です。2019年10月から、商品の売り場や在庫数を確認できたり、商品情報を調べられたりする「SITE Phone(サイトフォン)」という端末を、全店舗メンバーに支給しています。

まだ完璧ではありませんが、社内の専門知識をうまく集約し、どんなお問い合わせであっても、誰もが即時対応できるよう、デジタルツールを上手に活用していきたいと考えています。

都市部で働くプロのニーズから生まれた「C’z PRO」事業

C'z PRO Pick Up Locker

24時間受け取り可能なロッカー「C'z PRO Pick Up Locker」

カインズは、郊外を中心に、広い売場面積を強みにした大型店舗を展開しています。しかし都市部は地価が高く、広く使える土地も少ないので、郊外と同じような大型店舗をどんどん増やすことは難しいのです。

とはいえ都市部でも、プロの方が便利に買い物できるお店が必要とされています。住宅が多い分、リフォームや配管関係の工事などが多く、建築系のプロの方が活躍する現場が実はすごく多いんです。

これまでは昔ながらの金物屋さんで、取り寄せをお願いしてなんとか調達していたそうですが、金物屋さんも減少しています。要は、それだけニーズがあるのに、買う場所がないと。だったらそのニーズにカインズが応えようということで、「C’z PRO」という、建築のプロのための会員制卸売店を新たにつくりました。

「C’z PRO」は一般の方は入れない、プロの方のニーズに特化したお店になっています。例えば、「一般のお店では汚れた作業着のままで入りにくい」という声があったので、そういう声も反映し、プロの方が入りやすい環境の整備を第一に考えました。また、プロユースの商品しか置いていないので、選びやすく、来てすぐ買って帰れるという点も大きなメリットだと思います。

そして、ハード面の整備はもちろんですが、ソフト面でご満足いただくための試みも忘れていません。

まず接客においては「Project Kindness」という中期経営計画のもと、フレンドリーでアットホームな対応を重視。小ぶりなお店という環境もプラスに捉えて、プロのお客様と店舗メンバーが仲間のような感覚で会話できる、そんな店づくりを目指しています。

サービス面では、店舗の営業時間内に商品を受け取れない場合に、店舗外に設置したロッカーからお持ち帰りいただける仕組みを導入しました。

プロの方は日中にお仕事されていますし、都市部だと渋滞が多いエリアもあります。そのため、営業時間自体も一般的なホームセンターより長く設定していますが、早朝や夜遅くでもピックアップできるよう24時間いつでも利用可能にしています。ニーズがあることを把握したうえでの取り組みだったので、早くも好評をいただけていますね。

商品開発や仕入れの面だけでなく、サービスも含めて、ターゲットであるプロの方々の“かゆいところに手が届く”存在になれるかどうか──。プロ向けのコンビニエンス業態として、実現すべきことはまだたくさんあります。

すでにできあがっている事業を継続していくだけでなく、もっと便利に使っていただくための新しい取り組みにどんどんチャレンジできるという点も、プロSBUの大きな魅力だと考えています。

プライベートの充実にもつながる「ラクして楽しく働く」の真意

ハイボールハウス

冷害や食害に見舞われながら、工夫を重ねて完成させた現在の「ハイボールハウス」

SBUの長として、私が大切にしている信条は「ラクして楽しく働く」です。

この言葉を初めて口にしたのは、私が新店に配属されたとき。初めて一緒に働くメンバーばかりで、若手社員の比率も高かったんです。そんななか、どうすればメンバーたちの緊張をほぐし、ポジティブな気持ちで働いてもらえるかを考えた結果、出てきたのがこの言葉でした。

「ラクして」というのは、もちろん「サボって」という意味ではありません。「アタマを使って効率的に働いたほうが、結果的にラクできる」ということです。

言われたとおりの手順でやるのではなく、より効率が上がるよう自分で工夫してみる。一緒に働くメンバーを巻き込み、それぞれの適性・特長を生かして業務を分担する。それらも全部「ラクして」ですから。

仕事には、大変なことやつらいこともありますが、そのあとに必ず「楽しさ」が待っているもの。困難を乗り越えたときの達成感、成長を実感できたときの充実感こそが、仕事の醍醐味だとも思っています。

私自身も「ラクして楽しく」働いてきた結果として、プライベートがすごく充実するようになりました。趣味の一環として、自宅でかなり本格的なDIYと野菜づくりをしているのですが、これもカインズでの仕事の楽しさを見つけようとするなかで生まれたものなんです。

お酒が好きで、特にハイボールが好物。ということで、レモンやライム、かぼすなどの苗木を育てるための「ハイボールハウス」を自宅にDIYしました。

子どもたちにとっても、農業体験や食育の場にもなっていますし、自身の趣味と実益を兼ねているだけでなく、家族みんなで楽しめる時間も増えたんです。

一緒に働く仲間が、同じように「いかにラクして楽しむか」という意識を持って働いてくれたら嬉しいですね。みんながその気持ちを持って働けば、どんどん好循環が生まれます。そういうマインドで働いたほうが、個々の成長のスピードも早くなりますからね。

“これまで”と“これから”の融合で「枠をこえる」

プロSBU長 深井 彰

カインズは昨年、新たに3つの企業理念を掲げました。これからジョインしてくれる方々にも、この3つを意識して、自分なりに表現してもらいたいと思っています。

■Kindnessでつながる

■創るをつくる

■枠をこえる

1つめの「Kindnessでつながる」は、チームとして成果を出すためにとても大切なことだと考えています。お客様はもちろん、一緒に働く仲間も含めた「相手」を思いやる気持ちを持って働くことで、いろいろなことがプラスの方向に動いていくと信じています。

2つめの「創るをつくる」は、個人的にもっとも重要視している項目です。商品本部に所属している以上、お客様に役立つ商品をひとつでも多くつくることは基本中の基本ですから。

また、単にモノをつくるだけでなく、“買える場所”としての店舗づくりやサービス開発も重要。商品・場所・受け渡し方法など、カインズを取り巻くいろいろなモノ・コトを一緒に創っていきたいですね。

3つめの「枠をこえる」は難しい概念ですが、私は「既存メンバーと中途入社メンバーの融合」がカギになると考えています。特にカインズでしか働いたことがないメンバーは、知らず知らずのうちに“カインズはこうあるべきだ”という枠をつくって仕事を進めてしまいがちです。

その枠にはめるほうがよいケースもあれば、斬新なアイデアの足かせになってしまうケースもある。既存メンバーの店舗・本部での経験と、新たにジョインしてくれたメンバーの斬新なアイデアが掛け算されてはじめて「枠をこえる」効果が生まれるのではないでしょうか。

私自身も、いまでも店舗で培ったお客様視点や現場感を大切にしながら働いています。どんなに素晴らしいアイデアでも、現場のことを無視した設計になっていたら、効果を発揮するどころか導入すらできません。

いま導入が進んでいるデジタルツールも、発想の原点は“現場感”にあります。

“これまでのカインズ”をしっかり捉えたうえで、“これからのカインズ”を生み出してくれる──

そんな人と一緒に働けたら、仕事もますます「ラクで楽しい」ものになっていくんじゃないでしょうか。

当記事は、となりのカインズさんのコンテンツを一部改変して転載したものです。

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