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売り場を超えた価値提供を
─日々お困りごとを解消するバイヤーが抱く「小売業の使命」

株式会社カインズで、バイヤーとして活躍する高山清志。カインズの品ぞろえの豊富さに衝撃を受けて入社しました。「お客様のお困りごとを解消する」ために商品開発に取り組んできた高山は「持ち手付き重量用段ボール」ヒットの立役者。そんな高山が、入社以降の歩みやバイヤーとして大切にしていることを語ります。

プロツール部 バイヤー高山 清志

プロ向けのニーズの拡大と「お客様のお困りごと」の解消がミッション

プロツール部バイヤー 高山 清志

私は、株式会社カインズ(以下、カインズ)のプロ事業部プロツール部という、大工さんをはじめとした職人向けの商材を扱う部署のバイヤーをしています。その中でも、電材と呼ばれる電気関係と、建築補修を担当。建築補修は接着剤やブルーシート、段ボールなどの消耗品というとイメージしやすいと思います。

バイヤーというと、一般的には仕入れを担当しますが、カインズでは商品開発や店舗の売り場づくりまでを一手に担っています。

カインズはDIYのイメージが非常に強いホームセンターですが、大工道具や資材を必要とするプロのお客様からも多くの支持を得られるようにしていくのが、プロ事業部のミッション。

とはいえ、現在のカインズには一般のお客様も非常に多くいらっしゃるので、どちらかに偏りすぎないようにバランスを考えながら、プロ向けとしても支持を得られるような商品展開を目指しています。

たとえば電材のひとつ「結束バンド」は、一般のお客様がDIYで使うことも多く、家の中のちょっとしたものを直すのに使われることもあるんです。そうした実態がある中で、一般のお客様向けとプロ向けの商品をどのように取りそろえていくのか──本当に難しいな、と日々感じながらも、双方の期待に応えられるよう努めています。

仕入れや商品開発の面では、生活上のちょっとした「困りごと」や「不便」が1日に数百くらい生じていると想像しているので、小さなことでも見逃さないように心がけています。

何か大きなことをやるというよりは、目の前の小さな不便を一つひとつ解消していくことが、結果的に良い商品づくりに役立つと考えているんです。

それから、バイヤーとして「トレンド」はきっちり捉えるようにしています。他社さんのホームセンターも見に行きますし、家電量販店はもちろん、食料品店などからもヒントを得られることは少なくありません。

上司と一緒に店舗を回ったときにも、電材や建築補修だけではなく、違うカテゴリーのものも見に行くようにアドバイスをもらいました。

多岐にわたって幅広くトレンドを拾っていく。そうすると、遠いところの点と点がつながり、私が担当する商品一つひとつについて、「この商品はこのシーンで役立つ」と思い浮かぶこともあるんですよ。

売り場作りも店舗での対応も共通する基準は「お客様目線」

カインズ小牧店店長時代の高山

カインズ小牧店店長時代の高山

私がカインズへの入社を決めたきっかけとなったのは、学生時代の出来事です。

当時、新しくできたカインズ町田多摩境店に足を運んだときに、取り扱う商品が幅広くて、見たことがないようなものが数多く陳列されていたことに衝撃を受けました。

当時は友達とバーベキューに行くことになっていたので、バーベキュー用品をいろいろ買ったのですが、それらが一箇所でそろうということも驚きでしたね。

「ホームセンターって楽しそうだな」という印象を持ち、もともと小売業界を志望していたこともあって、「カインズで働いてみたい」という想いにつながったんです。

また、就職活動を通じて、カインズは「お客様」が常に主語であり、お客様にわかりやすいようにダイナミックな売り場作り[建部1] をしていることを実感しました。

入社後は3店舗で経験を積んでから、人事部採用グループに配属されました。人事部では、会社説明会の運営や面接官を担当し、会社としての“全体感”を肌で感じることができましたね。

会社として進むべき方向を理解した上で、担当する専門的な商品群をどのようにプロデュースしていくか。

いまの仕事では、業界でのカインズの立ち位置など、俯瞰的な視点が非常に大切なので、私自身が実感した“全体感”が今に活きているなと思います。

人事部を3年経験したあと、当初目指していた店長に着任できました。しばらく現場を離れていたので、正直不安はありましたが、上司に相談する機会や、研修などのサポート体制もあったので前向きにとらえられました。

人事部時代の上司から「店長になると判断に迷うことはたくさんある。悩んだときは『お客様にとって一番良いことは何なのか』を考えるように」といわれたことがとても印象に残っています。

実際に判断に迷ったとき、「これをやるとお店側の対応が大変」と思うことはもちろんあります。でも、軸は「お客様」。「お客様のためになるならこちらを選択しよう」といった具合に、揺るぎない判断基準としていました。

これを日々繰り返すことで、何かあったときにこの軸に立ち返ることができるようになったのは、とても良い経験でしたね。

実体験から生まれた「持ち手付き重量用段ボール」がストレスを解消

持ち手付き重量用段ボール

高山が開発から手がけた「持ち手付き重量用段ボール」強度は通常の段ボールの2倍!今では年間10万枚を超える売れ筋商品へと成長!

3店舗で店長を務めたあとに異動し、現在のバイヤーに着任しました。

私が商品開発に携わったものの中で代表的なのは、「持ち手付き重量用段ボール」。2020年8月に発売し、2021年5月の段階で2サイズ、約7万枚を販売しています。

「持ち手付き重量用段ボール」のヒントとなったのは、店舗で働いていたときの品出し作業の経験です。ホームセンターと段ボールは切っても切れない関係。1週間に商品を売り上げた分だけ、同じ量の段ボールに入った商品が毎週届くわけですから、必ず持って運んで開ける、という作業が発生します。

段ボールは持ち手が付いていないものが大半です。ゴムでコーティングされた軍手があれば良いのですが、それがないと持ち運びにくくて仕事にならないこともあったんですよ。

こうした経験から“段ボールは持ち運ぶもの”という考えが念頭にあったため、持ち手付き段ボールの商品化を提案するに至りました。

しかし、カインズでは段ボールを年間で何十万枚と販売しています。結果的に数字を出さなければいけませんから、持ち手を付けて大丈夫なのかという不安もやはりありましたね。持ち手の部分をくり抜くわけですから、ゴミを入れられる可能性もありますし、虫が入ってしまうなどの異物混入のリスクもあったんです。

でも、私自身「持ち運びする必要があるのに、持ち手が付いてないなんておかしい」という気持ちが非常に強かった。段ボールに持ち手が付いていないことは、不便からストレスを感じる要因のひとつだ、と。

段ボールに持ち手が付いていないことで、毎日のように不便だと感じるわけではなくても、10回に1回程度は不便を感じている人は少なからずいるのではないかと思ったんです。

結果として「持ち手付き重量用段ボール」は売れた[建部1] ので、やはりお客様に支持されているんだと実感できて嬉しかったですね。

カインズの良さは、「やってみたい」ということを上司に相談すれば、アドバイスしてくれることはあっても否定されることはありません。今回も、上司に相談をした際に「やってみれば」という言葉をもらいスタートできました。

売価ひとつとっても、非常に親身になって相談に乗ってくれました。また、売価をいくつか変えてテストをしてみて、その上で決めてみようなどの的確なアドバイスをもらうこともありました。経験豊富な上司の支えがあったので、安心して取り組むことができたんです。

災害時の“家”の備えを当たり前にする──お困りごとの解決が使命

プライベートでのキャンプ

高山が開発から手がけた「持ち手付き重量用段ボール」強度は通常の段ボールの2倍!今では年間10万枚を超える売れ筋商品へと成長!

私が担当する商品は、災害時に必要なものが非常に多いんです。ブルーシートや土嚢袋、工事現場で使われている黄色と黒の標識ロープ。ほかには、何かが壊れたときに修繕に使うテープ類などを扱っています。

たとえば、地震や台風が発生したときに瓦が落ちると、屋根にブルーシートをかけるためにロープやテープも必要になります。水害が発生したときには同様に土嚢袋が必要とされます。

お客様が必要とされる商品を必要なタイミングで供給するのが、私たち小売業の役割でもあります。災害が起きたとき、在庫がなくなってしまうと、大変な状況にあるお客様の困りごとを解決できないことがとても心苦しいです。

また、災害が起きたときには、お客様がホームセンターまでたどり着けなかったり、ホームセンター自体が営業できなかったりという事態も起こりえますよね。

ですから、何か災害が起こってから買いに来るのではなく、お客様に事前に備蓄してもらえる状況にできるよう、使命感を持って取り組みたいな、と考えています。ある意味生活習慣を変えるほどの大きな話なので簡単ではありませんが、その意識を変えさせるのも我々の役目だと自負しています。

また、「自助・共助・公助」という言葉がありますが、自助は自分で自分の身を助けること、共助は隣近所や自治会などによる助け合い、公助は警察や消防、自衛隊、自治体による助けです。

災害が起きたときには、自助・共助・公助の割合は7:2:1となるといわれています。だからこそ、自分自身の身を守る意識をお客様に持っていただくことは、小売業の使命のひとつだと考えているんです。

防災意識の高まりから、非常用の持ち出し袋を持っている人は増えていますが、多くの場合、それらは避難時の最低限のものです。でも、家を壊れたままにしておけません。そこで、壊れた家を自分で仮補修するための商品として、ロープやシート、土嚢袋、万能テープをセットにしました。まずは八王子長房店で販売して、それから他店舗でも展開していく予定です。

災害が起きていない平時の状態でお客様に買っていただくことができれば、ビジネスとしても大きな結果に結びつくと思っています。

バイヤーは、決して派手な仕事ではありません。ほかのバイヤーも、目の前の一つひとつのお客様の困りごとを改善していきたい、という気持ちでやっていると思います。

そうしたスモールステップを積み重ねることで、「カインズで買い物して、いろいろなものをそろえたらくらしやすくなったな」と感じていただきたい。そう思っていただくために思考錯誤していくのが私の使命であり、カインズの使命だと考えています。

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