株式会社カインズSBU戦略
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家事をラクで楽しく
──仕入れと開発の2足の草鞋が見出した「空白地帯」

商品部の日用雑貨事業部でバイヤーとして活躍する中村 敦は、カインズの両輪であるNB(ナショナルブランド)とPB(プライベートブランド)のフィールドで日々戦っています。情熱を持ち、バランスを取りながらも「空白地帯」を狙い、仕入れと開発を手掛ける。そんな中村が、仕事に対する思いを語ります。

日用雑貨事業部
バイヤー中村 敦

PBとNBの共存がお客様の暮らしをアップデート

日用雑貨事業部バイヤー 中村敦

2021年8月現在、株式会社カインズ(以下、カインズ)商品部の日用雑貨事業部に所属しています。洗剤からお米まで、日常のありとあらゆる必需品を取り扱う部門の集合体です。

NB(ナショナルブランド)のメーカーから商品を仕入れる一方で、カインズ独自のPB(プライベートブランド)やストアブランドを開発しています。NBの仕入れとPBの開発が業務の両輪です。うまくバランスを取りながら、価格が安くて使い心地が良い商品を提供できるよう取り組んでいます。

私はバイヤーになって14年目で、2012年からは洗剤やティッシュペーパー、トイレットペーパーや芳香剤などの消費財を担当しています。バイヤーになりたてのころは、シャンプーやボディーソープ、子ども用グッズなどを担当していました。

14年の経験から導き出したお客様に喜んでもらうために大切なポイントは、「PBとNBの共存」です。日用雑貨事業部が扱う商品は幅が広く、部門の中でもいくつかのカテゴリーに分かれています。たとえば、洗剤カテゴリーではP&Gさんや花王さん、ライオンさんなど独自の商品開発力を持ったNBメーカーが多く、洗剤の代名詞ともいえる商品の売上の構成比が高いのが特徴です。

こうしたNBメーカーの商品を排除して、カインズだけでお客様の暮らしを良くすることはできません。だからこそ共存が必要なんです。

一方、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの家庭紙カテゴリーでは、NBメーカーがそれほど多くありません。そのため、カインズのPB商品の売上構成比が高くなっています。

売れるのがPBであってもNBであっても、結果的にお客様の暮らしが良くなればいい、というのがカインズ流の考え方なんです。

バイヤーが性に合っている──陸上競技で鍛えた情熱を原動力にして取り組む

日用雑貨事業部バイヤー 中村敦

私は、1994年にカインズに入社しました。売り場担当を経て、入社2年目で1部門のラインマネージャーに昇格。4年目には店長となり、新店や改装した店で仕事をしてきました。

新店の店長は、パートやアルバイトを含めてスタッフの採用からスタートするので、店舗内の絆が深くなります。メンバーが一丸となって無事オープンできたときの感動はひとしおですね。

その後、2年間店長をして、販売企画部に異動になりました。店舗と商品部のパイプ役として売り場展開のアドバイスをする部門に約3年在籍し、現在は商品部でバイヤーをしています。このように、現場も本部も経験しているのが私の強みです。

仕事で大切にしているのは、ずばり「情熱」です。情熱を持って何事にも挑戦し続ける姿勢をずっと持ち続けています。この姿勢には、中学・高校・大学と約12年間、陸上競技をやっていたことが影響していると思います。

競技に取り組む中で、礼儀や闘争心、コミュニケーションの大切さや協調性などを学びました。

また、陸上競技の中でもリレー競技や駅伝は、個人競技でありながら団体競技でもあります。今思うと、この「個人競技でもあり、団体競技でもある」という部分は、バイヤーという仕事と通じるものだったと感じています。

正直、店長をしているときはバイヤーの仕事に興味がありませんでした。しかし、実際にやってみると、バイヤーは自分の性分に合っていたんです。仕入れた商品を店舗で販売してもらえるように働きかけることや、他のセクションにつなげていったりすることは、リレー競技のバトン渡しのようでした。

まず自分が動かないといけないという、個人競技の面。そして、自分がやってみた後に後輩や他のセクションの人たちとコミュニケーションをとっていくという団体競技の面。

この2つの面を意識しながら、ひとつの目標に向かって情熱を持ち、バイヤーとしての業務に取り組んでいます。

痒いところに手が届く商品を。カインズの狙う「空白地帯」

日用雑貨事業部バイヤー 中村敦

バイヤーとしての仕事をしながら、PBとして何ができるのかを考え始めて10年近く経ちますが、構想はできあがりつつあります。

カインズとして、やはりNBだけでは埋まらない「空白地帯」をPBで埋めることが重要だと考えています。その上で、単に値段を安くするのではなく、カインズならではの価値を提供することが必要になってくるんです。

NBの広い市場で、カインズの差別化を図ることが重要だと考えています。洗剤を例に挙げると、すでにNBメーカーの商品がたくさん存在しています。

そこで私たちは、洗剤の量に着目しました。単に仕入れて売るだけではなく、カインズでしか買えない限定サイズにこだわった洗剤を販売しています。お客様のニーズをしっかりとらえ、商品価値を高めることができるのはカインズならでは。こうした点に着目し、開発された大容量サイズの洗剤は、「アタリ」でした。

その他にも、現在PB部門では、ニッチで小規模な市場を狙っています。作業着用洗剤はまさにそうです。黄色い容器の作業着用洗剤は、カインズの代名詞にもなっているPB商品。

ニッチで小さい市場は、NBメーカーさんが参入しづらい「空白地帯」なので、そこをカインズのPB商品が埋めていくという形ですね。

カインズブランドの商品を出していくのは、お客様にとっても痒いところに手が届くので、そういう点でも良い取り組みになっていると思います。

お客様に支持されるかどうか予測しながらPB商品を開発するのは非常に楽しいですし、やりがいがあります。

たとえば、トイレットペーパーに干支のイラストが描かれている「ニューイヤートイレットロール」は、もう3年も販売を続けている人気商品です。もともと、オリジナリティを追求するなかで毎年干支のイラストが入ったトイレットペーパーを出すと楽しいのでは、という想いから始まったんです。

お客様の利便性を考えながら商品を開発しますが、どれだけ努力しても売れないことが現実にはあります。でも、くじけずに常にフィードバックをして、修正していく姿勢が大切ですね。

ブラッシュアップの日々が、大勢で分かち合える喜びを生み出す

日用雑貨事業部バイヤー 中村敦

私たち日用雑貨事業部の戦略キーワードは楽しく家事ができる「楽カジ」と「ウェルネス(健康)」です。

楽カジに関しては、衣類をケアする衣類ケアと部屋の中を快適な空間にする快適空間化に重点を置いて開発を進めています。洗剤であれば大容量の洗剤、部分洗い用、作業着洗剤などが該当しますね。

開発をする上ではニッチな市場を攻めて、どのくらいのお客様に支持されるか、売上はどのくらいになるかという細かい分析も行いながら、計画的にやっています。

どんなに良いものでも、お客様に支持されなければ意味がありません。また、愛され続けるためには開発して終わりではなくどんどんブラッシュアップさせていかないといけないんです。ですから、いろんな人の意見を聞きながら進化させていく努力が欠かせません。今やっていることを少し修正して追加することを繰り返しながら磨きをかけていくほうがいいかな、と考えています。

商品開発では、大人数でさまざまな考えを出し合うブレストミーティングが有効です。商品のアイデアが決まると、商品部内にあるデザイン企画室に要望を出します。他部門とのつながりを密にして、いろいろと意見を出せるようにすればパッケージはもっとよくなりますからね。

洗剤というカテゴリーでも、実は関わる事業部がたくさんあるんです。衣類の洗剤、掃除用の洗剤、食器用洗剤、作業着用洗剤など、種類はさまざまですから。建築や補修、作業着などを扱う事業部とも連携しています。1個の商品が事業部を横断しているようなイメージですね。

そうした関連する部署のバイヤーやパート、アルバイトなど、事業部が他部門や店舗スタッフなどと連携をとってつながることで、もっともっと良い商品ができるようになればいいな、と思っています。

1個の商品を開発するにあたっては、事業部あるいはバイヤー個人の頑張りだけでは足りません。いろんな人が商品にかかわることが重要です。かかわればかかわるほど、店頭に並んだときの喜びを大勢のカインズメンバーと分かち合えると信じています。

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