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エンジニアが働きやすい環境を。
前例のない制度作りに取り組む人事の挑戦

幼少期から抱く「人の役に立てる人間でいたい」という情熱とともに、人事スペシャリストとして活躍する株式会社カインズの大場 啓子。デジタル戦略本部に属し、エンジニアが働きやすく、長期キャリア形成できる環境の整備を目指しています。エンジニアのキャリアにおける課題解決に挑む大場の軌跡をご紹介します。

デジタル戦略本部 人事制度設計 マネジャー大場 啓子

デジタル化による小売業の進化と、エンジニアのキャリアの課題解決

デジタル戦略本部 人事制度設計 マネジャー 大場 啓子

2021年7月に中途入社し、デジタル戦略本部の人事制度設計マネージャーとしてミッションに取り組む大場。このデジタル戦略本部設立の背景には、カインズ経営陣の「未来を見据え、小売業として進化していこう」という並々ならぬ決意が込められています。 

大場 「デジタル戦略本部は、カインズのデジタル化促進を目的に発足しました。2017年にアメリカで開催されたグローバルカンファレンスに参加した現会長の土屋、社長の高家、当時顧問だった池照が、『日本の小売業も変わらなければ』と危機感を抱いたことが発端です」

最初に行ったのは、ポイントカードをデジタル化し、アプリに移行させたこと。あわせて店舗や社内組織の整備も進めていきました。

大場 「お客様がオンラインショップやアプリから注文し、商品の取り置きや在庫数確認、店舗での受け取りもできるCainz PickUpサービスを開始しました。店舗には受け取り専用のピックアップロッカーを店内や店外に設置し、今後も拡大する予定です。
このほか、ECサイトの構築や、社内のインフラ整備などにも着手しました。コロナ禍以降、DX化の重要性が増しているといわれていますが、小売業としていち早く取り組んできたのがカインズです」

デジタル戦略本部での大場の役割は、デジタル化に伴うエンジニアの環境整備のための制度設計です。

大場 「2019年初めにデジタル戦略本部が立ち上がってから約2年間で200名規模のエンジニア採用を行ってきました。その結果、必要となったのがエンジニアの評価制度や教育制度です。
小売業を軸とするカインズの人事制度は、店舗で働くメンバーを主体としていたので、エンジニアの働き方には合いませんでした。私はそのデジタル人材向けの制度設計を担うため、入社したのです」

大場が制度設計や研修を作る上で最も大切にしているのは、エンジニアの長期的キャリアに向き合うことだと語ります。

大場 「デジタル戦略本部の本部長を務める池照が、『エンジニアとして、長くキャリアを築けること』を非常に大事にしているんですね。この理念に私自身、深く共感していて、エンジニアがキャリア構築する際の課題解決を意識しています」

その課題とは、日本のITベンダーでは入社から3年でマネージャーやディレクターにシフトし、以降は技術力向上のプロセスが難しいこと。

大場 「マネジメントスキルももちろん必要ですが、カインズとしてはエンジニアの技術力を担保できるよう取り組んでいます。エンジニアとして一生働ける、スキルアップを続けられる──そんな環境を目指した評価制度やキャリアプランを提案していきたいです」

人の役に立てる人間でいたい。経験を活かし、女性管理職に

デジタル戦略本部 人事制度設計 マネジャー 大場 啓子

現在、カインズでエンジニアの環境整備のために奮闘する大場ですが、そのキャリアを紐解くと、「人の役に立てる人間でいたい」という情熱がベースにあることがわかります。

大場 「実は幼いころから弁護士になるのが夢で、『人助けがしたい』というのが動機でした。大学時代の4年間は、血反吐を吐くような勉強ぶりでした。ところが徐々に苦しくなり、4年生のときに『これ以上続けると逆にだめになってしまう』と断念しました」 

そこから方針転換し、就職を決めた大場。自身の経験を活かし、中学受験塾を選びます。

大場 「勉強する苦しさも味わったので、同じように苦しんでいる学生のサポートができるのではないかと考えました。子どもたちと触れ合うこともすごく楽しかったですね」

その後、人事に興味を持ち、社会保険労務士の勉強をして転職。その目的は「長期的なキャリア構築」だったと大場は振り返ります。

大場 「結婚を機に退職する女性スタッフが多い環境だったので、長期キャリア形成ができるところで働きたいと考え、研究開発ベンチャーで6年、ゲーム会社で8年、いずれも人事の仕事をしました。
もともと司法試験の勉強をしていたこともあり、法律を勉強したかったのですが、法律の勉強と企業勤務で結びつくものはなんだろう?と考えていく過程で、人事の仕事がおもしろそうだなと惹かれたことがきっかけです。根本的に人が好きで、人の役にも立ちたいと思っていたので、その双方を組み合わせた仕事が、人事だなと」

そんな大場のターニングポイントとなったのは、ゲーム会社でした。

大場 「ゲーム会社でエンジニアの採用・教育・労務に携わり、幅広く経験を積むことができました。人事総務部長として、管理職を経験できたのも良かったです。管理職をやりたいタイプではないのですが、何か困っているとか問題があると、途中までは様子見するものの、自ら火中の栗を拾いに行ってしまうタイプなんですよね(笑)」

明るくカラッと笑いながら語る大場ですが、このキャリアと資質がカインズへの入社につながっていきます。

大場 「人事制度や教育プログラムを作らせてもらえる点にも興味があったのですが、一番大きかったのは池照の理念です。ゲーム会社在籍時、エンジニアの長期キャリア形成や、長く働き続けるための環境構築に関して課題を持っていました。そんな中、池照がエンジニアの環境を変えたいと課題感を持ち、向き合っていることを記事で知り、ぜひチャレンジしたいと思ったのがカインズを選んだ理由です」

ITの内製化に挑む企業で、前例のないものを構築するおもしろさ

対談する大場

カインズへの入社後、あらゆる側面からエンジニアの環境整備に取り組む大場のやりがいは、「ITシステムの内製化への挑戦に携われること」だと語ります。

大場 「日本のITシステム開発は内製でなく、ベンダーへ依頼して行うのが一般的です。一方、カインズではエンジニアの採用による内製化に取り組み、ビジネスの課題に直接向き合って、迅速に解決していく方向性に転換しています。
その取り組みに携われることが大きなやりがいになっていて、日本の企業ではいち早くチャレンジしているおもしろさや、ビジネスに直接関われることに魅力を感じています」

現在の日本企業では前例の少ない「企業内でIT部門を確立する」という挑戦。その過程で大場が気を配っているのは、「デジタル部門だけ環境整備を進めているような雰囲気にはしたくない」ということです。

大場 「カインズ全体では新たな人事戦略のひとつとして“DIY HR”で全社改革を推進しています。デジタル戦略本部としてはまず、エンジニア向けに先行して制度設計や整備を行い、その後全社にも波及させていければと思っています」

大場が今後取り組むのは、「エンジニアの評価制度の構築」だと続けます。

大場 「現状の評価制度ではエンジニアを評価できないため、デジタル人材の評価制度として手直ししながら作りあげる作業を始めています。IT企業以外で、社内エンジニアの評価制度を設けている事例を調べても、やはり少ないんですね。成功事例を含めて検証が難しいのです。
だからこそ、前例のないものを構築していくおもしろさを感じています。大変というより、おもしろい。ビジネスと直接結びつくところで、エンジニアの成長や経験を支えていける醍醐味や充実感がありますね」

エンジニアにとって世界一の企業に。人事スペシャリストの野望

デジタル戦略本部 人事制度設計 マネジャー 大場 啓子

幼少期から「人の役に立てる人間になりたい」という想いを抱き、女性管理職として活躍してきた大場。そんな彼女にとって、カインズという起業の魅力は「前向きさ」だと語ります。

大場 「誰もがカインドネスを非常に大事にしていて、前向きですね。『できない』『やりたくない』とはいいません。すばらしい企業風土だと実感しています。また、『お客様目線で良いものを作っていこう』という意欲が高いことも当社の魅力です。
たとえばデジタル戦略本部では、全員が集まるミーティングで、現在の取り組みを共有する機会が設けられています。そこで『お客様のためにどうしていくか』『ビジネス課題に対してどういうアプローチをしているか』をディスカッションする時間が多いですね。技術とビジネスが結びついた形でお客様と向き合えるのも、内製化のメリットだと感じます」

前向きでエネルギッシュな風土を持ち、独自のHR改革によりどんな職種の人も働きやすい企業を目指すカインズ。人事制度設計マネージャーとしては、新たにどんな人材を求めているのでしょうか。

大場 「顧客目線を非常に大事にしているので、顧客の反応を実感しながら働きたいという方には最適な環境です。ITベンダーではなかなか難しい『エンドユーザーがどう思うか?』を重視した仕事でキャリアを積むことができます。それから、チャレンジングな方にもおすすめです。私自身も今、誰もがやりたいことに挑戦できる環境にするため、日々取り組んでいるところです」

今後の展望についても、「フォロー体制の確立」「エンジニアにとって世界一の企業にすること」と生き生きとした姿勢で語ります。

大場 「現在のデジタル戦略本部は200名体制で、一気に増員したため、制度や機能面が追いついていません。小さな会社を立ち上げたような状態ですね。一人ひとりが働く上での環境を整え、しっかりとフォローしていく体制作りに取り組めるのは楽しみでもあります。
そして未来の目標は、エンジニアにとって世界一の企業にしたいということ。名だたるIT企業にカインズが並ぶことを野望にしています」

人とビジネスの成長を支えることに喜びを感じ、一人ひとりを想いながら、常に前向きで快活な大場。これからもカインズの躍進とともに、大場の挑戦は続いていきます。

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